処理水など巡るG7共同声明の日本語訳 誤り指摘に国「修正は不要」
4月に札幌市で開かれた主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合で採択された共同声明の日本語訳について、市民団体らが誤訳だと指摘していた問題で、経済産業省と環境省は「重大な誤りはなく修正する必要はない」と26日にメールで回答した。市民団体は「納得できない」として今後、オンラインでの話し合いを求めるという。
間違いとの指摘を受けたのは、共同声明のうち、東京電力福島第一原発から出る処理水の放出と除染土の再利用について言及した2カ所。市民団体「放射線被ばくを学習する会」など全国約150団体は誤訳だとして、環境相と経産相に撤回を申し入れていた。
処理水について、日本語訳は「廃炉及び福島の復興に不可欠である多核種除去システム(アルプス)処理水の放出」としたが、英語の原文は「廃炉及び復興のために不可欠」なのは「(処理水放出が)IAEA(国際原子力機関)の安全基準や国際法に準拠して実施されること」と「放出が人や環境に害を及ぼさないこと」のようにも読めた。
処理水に関する部分はその後、広島で開かれたG7サミットの「首脳コミュニケ(声明)」にもそのまま盛り込まれた。このため、学習する会は外相にも撤回を申し入れている。(笠井哲也)
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