ベルマーレの新スタジアム計画「無理な提案で残念」 平塚市長が苦言

足立朋子
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 サッカーJ1湘南ベルマーレ神奈川県平塚市に提案した新スタジアム計画について、落合克宏市長は30日の記者会見で「何度も『困難』と伝えてきた総合公園内につくる案。受け入れられない」と話した。建設費の半額70億円超の負担についても市の規模や財政状況から困難とし、「無理な提案を一方的に突きつけられ、残念」とした。

 ベルマーレ側は17日に市を訪れ、約2万人を収容できるサッカー専用スタジアムの新設を提案。市中心部にある総合公園の一画を第1候補として図面を示し、無理であれば近くの民有地を取得できないかと投げかけていた。

 落合市長は会見で「正式な回答は今後」としつつ、「総合公園内の『平塚のはらっぱ』や駐車場をつぶしてつくる案で驚いた。総合公園は市が最も力を入れる子育て支援のシンボルで、市民の意識調査でも一番人気の場所だ」と提案についての感想を述べた。

 また、市では同じ総合公園内にある現在のベルマーレのホームスタジアムである平塚競技場(レモンガススタジアム平塚)や、馬入のサッカー場を所有していることから、「税金を使ってもう一つサッカー場をつくり、市の施設として運営してほしいという提案。市の規模から困難だし、専用スタジアムがほしいなら、ベルマーレや応援する商工会議所が中心となって整備されるのが常識的な筋道」と話した。

 さらに、総合公園外なら検討の余地はあるが、市が主体となって民有地を取得する考えはないとも強調した。

 新スタジアムを提案したベルマーレの関連会社「湘南メディアスタジアム」の佐藤倫明社長は取材に対し「総合公園内での提案は建ぺい率など市が課題としたことに応えたつもりだった。公園外の候補地を市が一緒に探して頂けるなら、前向きに協議したい」と話した。(足立朋子)

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