「日没なのになぜ山へ?」 引き返し声かけ、行方不明の女性を救助
星乃勇介
行方不明だった宮崎県門川町の80代の女性を救助したとして、日向署は30日、同町の農業、高橋宗三(むねみ)さん(67)に感謝状を贈った。山中で見かけ、声をかけたことが保護につながった。
同署によると、高橋さんは4月18日午後6時半ごろ、同町の門川防災ダムの近くを車で通りかかったところ、車道を歩いている女性を見つけた。
ダムはJR日豊線・門川駅から北北西に約4キロの山中で、人気はない。高橋さんはいったん通り過ぎたものの気になって引き返し、女性に声をかけて行き先や自宅を尋ねたが、会話がかみ合わない。車に乗せて交番に連れて行く途中パトカーに行き会い、知らせた。
女性は命に別条はなく、ケガもなかった。夫と2人暮らしで、直前に夫から署に行方不明の届けがあったという。高橋さんは「日没間近で薄暗いのに山に向かっていて、妙だと思った。私も87歳の母がいるのでひとごとではない。無事で良かった」と振り返った。
署は「車とぶつかる恐れもあった。間違っていてもいいので、積極的に声をかけてほしい」と呼びかけている。(星乃勇介)