45歳で離婚し、父子家庭 「人生は全部後悔」でも法廷に立つ理由
マハール有仁州
後悔しかない人生だった。「貧困によって自分も、妻も、子どもたちも壊れてしまった」。45歳で父子家庭になった千葉県流山市の水野哲也さん(76)は、過去を清算しようと法廷に立つことを決めた。
2人の子どもに「バイバイ」と言い残し、妻が実家に帰ったのは水野さんが外出していたときだった。長男も長女もまだ小中学生。しばらくして離婚を求める内容の郵便が届いた。親権を争い、3人暮らしになった。
妻は肌が白くて少し背が高い、福島県出身の女性だった。職場の先輩から縁談を持ちかけられ、千葉県の自宅で会った。先輩の妻の妹で、口数が少なく、まじめそうな印象があった。
当時は大学中退後に愛知県から上京し、医学系の出版社で本の校正の仕事をしていた。「少しすれば、心を開いてくれるようになるだろう」。女性は緊張していると思い、結婚を決めた。
翌年長男が生まれたとき、妻…
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