親子?が家紋入り丸瓦を狙ったか 国史跡の丸亀城跡で違法に掘った跡
国史跡に指定されている丸亀城跡(香川県丸亀市)で、石垣近くの斜面の土が1平方メートルほど削られているのが見つかったと市が5月31日、発表した。史跡内での掘削は文化財保護法に違反するとして、市からの通報を受けた丸亀署は1日午前、現場付近を確認した。
市によると、散歩で城跡を訪れたという市内の男性から5月24日、「(城跡南側の)搦(から)め手付近で土を掘っている父子を見かけた」と市へ電話があった。父子は家紋の入った丸い瓦を探している様子で、「各地の城の瓦を収集している。大阪から来た」と男性に話し、スマートフォンで瓦の写真を見せてきたという。
土が削られていた現場は、栃(とち)ノ木御門跡石垣の東側斜面。石垣の上にかつてあった櫓(やぐら)などで使われていた瓦が周囲に埋まっているという。記者が現場を訪ねると、縦横1メートルほどの範囲だけ草がなく、瓦のかけらが散乱していた。
市によると、今回盗まれたものがあるのか不明。ネットのオークションサイトに古い瓦が出品されたり、動画サイトに各地の城跡で瓦などを発掘する様子が投稿されたりする事例もあるという。市教育委員会文化財保存活用課の東信男課長は「無許可で史跡の掘削をすれば文化財保護法違反、掘り出した物を持ち去れば窃盗罪になることを知ってほしい」と話す。(増田洋一)