アジア・太平洋地域を中心に国防、安全保障の担当閣僚らが参加する「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)が2日からシンガポールで始まる。これまでになく対立を深める米中両国が、地域の秩序づくりでどんなメッセージを発信するのか、注目が集まる。
米中の対立は表舞台でも過熱している。米本土への中国気球を米軍が2月に撃墜。一方、中国の習近平(シーチンピン)国家主席は3月、ウクライナに軍事侵攻したロシアを訪れ、プーチン大統領と会談して中ロ接近を演じた。昨年6月のシャングリラ・ダイアローグの際に実施された米中国防相会談は、今回は見送られる方向だ。米政府によると、米側の要請を中国側が拒否したという。
バイデン米大統領は2021年、就任後初の記者会見で、米中対立について「民主主義国家と専制主義国家の闘いだ」と強調した。一方で、環太平洋経済連携協定(TPP)には復帰せず、国内世論に配慮した「米国第一」を掲げ続けている。
対する中国は、経済力をテコに、「新興国や途上国」と米国など「先進国」といった構図をつくり、影響力を強める。イランとサウジアラビアとの国交正常化の仲介役も演じる。
会議では、オースティン米国…
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