藤井新名人「勝負手」への対応 渡辺名人、決めに出てすっぽ抜けた?
佐藤圭司
将棋の藤井聡太竜王(20)が1日、第81期名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)で渡辺明名人(39)に勝って名人位を奪取し、史上2人目の七冠も達成した。
自らが勝った第3局の改良策をぶつけた渡辺名人が序盤でリード。「序盤の組み上がり辺りはハッキリ作戦負け」と局後に藤井竜王も苦戦を認めた。
2日目午後、「勝負手のつもり」で藤井竜王が放った△6六角(72手目)の局面。渡辺名人は1時間26分の大長考で▲2三桂(73手目)、そして▲3一銀(75手目)と連続で王手をかけた。が、局後に「手が広かったところで、結果的に、そこで間違えてしまった」と悔やんだ。控室で検討していた棋士たちが、ざわつき始めたのも、この場面だった。「渡辺名人が決めに出たが、スッポ抜けたんじゃないか」と立会人の田中寅彦九段(66)。
藤井竜王が勝ちと思ったのは90手目△5九飛と王手をかけた局面。「詰めろが続く形になったかなと思っていました」。終了図で先手は攻防ともに見込みがなく、投了もやむを得ない。(佐藤圭司)
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