川端慎吾の技術に陰りなし、「ほめるだけじゃ物足りない」連敗阻止
(1日、ヤクルト5―0日本ハム)
「一振りにかける男」の集中力は4打席目になっても途切れなかった。
七回2死満塁、東京ヤクルトスワローズの川端慎吾は「追加点が欲しい場面だったので、形は何でもいいので必死にくらいついていった」。
初球をとらえた打球は投手の足元を抜け、中前へ。リードを4点差に広げる適時打となった。
前日までの12連敗で最下位に転落した前年のセ・リーグ覇者。トンネル脱出策として、高津臣吾監督は打線の組み替えに着手した。山田哲人を1番に上げ、山田がいた3番に、川端を今季初めて先発で起用した。
今季は前日まですべて代打での出場で、28打数12安打、打率4割2分9厘。2015年に首位打者に輝いた35歳の打撃技術に陰りはない。前日も、前々日も、九回の代打で安打を放っていた。
高津監督の目には、連敗中の打者が少し消極的に映っていた。前夜の試合後にこう話した。「待っている球がきたら、強く遠くまで飛ばしてやろうという気持ちでスイングを仕掛けてほしい」
この日の川端はどうだろう。「とにかく高め高め高め」と意識し、浮いた球に狙いを定めた。一回は3球目を二塁内野安打、三回は初球を再び二塁への内野安打とし、いずれも村上宗隆の打点をお膳立てした。甘い球を逃さないのだ。
腰のけがなどで、近年は主に代打で出場するバットマンが示した、まぶしいほどの存在感。連敗はこうして止まった。(山口史朗)
高津監督(ヤ) 3番起用にこたえた川端について「ほめるだけじゃ、物足りないくらいの仕事をしてくれた」。
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