育成指名から7カ月での満塁弾 「チャラチャラできない」茶野の習慣
(プロ野球オリックス・バファローズ9―2広島東洋カープ)
昨秋のドラフト会議で育成4位で指名されてから、まだ7カ月ちょっと。プロ1号となるグランドスラムの感想は「最高です」だった。
オリックスの茶野篤政(とくまさ)は八回2死満塁で打席へ。4点リードがあっても、持ち味の積極性は失わなかった。2球目の甘いツーシームを捉え、右翼スタンドにぎりぎり届かせた。五回2死満塁で中前に放った逆転の2点適時打と合わせ、6打点の大活躍だった。
昨年は独立リーグの四国IL徳島に所属していた。開幕前に支配下を獲得し、この日まで1試合を除く49試合に先発出場する。際どいコースをカットして粘り、打てる球を迷わず振る。躍進の基盤となっている「好球必打」の姿勢が、この日の打席にも表れていた。
打席に入る前に必ず一礼、右翼手の守備に入る前にも一礼。全国的に無名だった名古屋商科大時代に始めたというこのルーチンを、いまも続ける。これが、23歳なりの野球の向き合い方。「こういう性格なんです。チャラチャラできないんですよ」
この勝利で中嶋聡監督が通算200勝の節目を迎えた。不調なときでも根気よく起用してくれる指揮官に「感謝しかない。記録の試合に携われたのはうれしく思います」。これからもバットで恩を返す。(高橋健人)
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- 【視点】
この試合を取材ではなく、観客として観戦していました。 一塁側の内野席。茶野選手の本塁打が低い弾道で目の前を通過していき、右翼スタンド最前列へ吸い込まれていく。こういう角度で本塁打を見るのは新鮮でした。 「記者目線」で見ると、広島の投
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