私が自撮り写真を加工しないわけ 流行に乗らない池帆乃香のスマホ道

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NMB48のレッツ・スタディー!小論文編 池帆乃香さん②

 2020年度から始まった大学入試改革では、思考力や表現力がより重視されるようになりました。改革の先行きが不透明な中、どう勉強すればよいのか。NMB48のメンバーが書いた小論文を大手予備校・河合塾の講師に添削してもらい、ヒントを探ります。池帆乃香(ほのか)さん(19)がお題を読んで挑戦しました。

 記事の後半で、池帆乃香さんのサイン色紙が抽選で当たる読者プレゼント企画の案内があります。

お題:スマホの中で最も重要なアプリは?

 「あなたが今使っているスマートフォンの機能またはアプリの中で最も重要なものはなんですか?」(200字以内)

池さんの小論文 「アイドルという仕事上…」

 私はアイドルという仕事上日々写真を撮る必要がある為(ため)、スマホの機能の中で最も重要なものはカメラアプリである。

 一眼レフやデジタルカメラでも写真を撮ることができるが、スマホとは別で持ち歩き、電源を入れ起動する必要がある。

 しかし、カメラアプリであればアプリを開くと写真を撮ることができ、即座に撮った写真を他の人と共有することができる。

 また、アイドルでなくとも日々の思い出を写真に残すことができる為重要である。

きれいに整った文章…でも個性が控えめ? 河合塾・加賀講師

 出題と添削を担当するのは河合塾で小論文を指導する加賀健司講師です。

     ◇

 きれいに整った文章です。初回の小論文にみられた文章のつながりの悪さが改善され、ずっと読みやすい文章になっています。構成もまとまっています。

 ただ、あまりにするっと読めてしまって、意外性の乏しい論になってしまっているのが少し残念です。初回は、文章全体の構成はゴツゴツしていましたが、意表をつく書き出しで、読み手の気持ちをぐっとつかむ仕掛けがありました。今回は逆に、お行儀のよい文章になっている代わりに、池さん自身の個性が封印されてしまっている印象があります。

 カメラアプリが池さんにとって重要な理由は、アイドルの仕事に必要だからと説明されています。手軽に写真を撮れて、その場ですぐSNSに投稿できる便利さも言及されています。アイドルも個人の発信力が重視される時代ですもんね。ですが、これらは私たちが想像できる範囲内の話でもあります。

 写真をSNSに投稿する芸能人は多くいます。その中で埋没しないために何が必要か。どういう見せ方が大切なのか。池さんもきっと自分なりの戦略をもって取り組んでいるはずなのです。カメラアプリを重要視するからには、そこまで踏み込んで書いてくれていたら、池さん自身の顔がみえて、なおよかったなと。

 例えば。高画質な写真や画像がSNSにあふれかえる昨今だからこそ、あえて画質をすごく落とした写真ばかり上げ続ける。高画質な私を見たければ、握手会や劇場公演へ直接お越し下さいね――。そんなユニークな自己アピールを展開しているアイドルがいたとしましょう。その人にとっては、高画質で精細な写真の撮影に向いている一眼レフよりも、スマホのカメラアプリの方がより目的に合っているかも知れませんね。「なるほど、そうなのか!」と読み手に思わせる「気づき」や「学び」の要素があれば、小論文の価値はさらに高まります。

 スマホと少し距離をとっている池さんだからこそ書けることが色々あると思います。3回目、楽しみにしています。

文章の形式を整えることに集中しすぎ…無念(池帆乃香さん)

 いけ・ほのか 2003年、奈良県生まれ。NMB48の「8期生」として22年から活動を開始。春秋戦国時代を舞台に中華統一の壮大な戦いを描く漫画「キングダム」の熱烈なファン。作品中の登場人物「瑠衣」が大好き。

 前回の小論文で、文章としてのつながりの悪さが課題だとわかったので、今回は「流れるように、引っかかりなく読める」ことを意識したつもりでした。接続詞にも気をつけました。でも、文章の形式を整えることに重点を置きすぎて、私の個性が消えてしまっているという今回のご指摘……。無念です。

 小論文に書いた通り、カメラアプリはよく使います。スマホにもともと装備されているノーマルカメラです。基本的に、写真を撮る機能しかありません。少しくらいの編集や加工はできますが、色や明るさをじゃっかん整えられる程度です。

 カメラアプリは、アイドルとしての仕事をするうえで必要だから……みたいに書きましたが、私の場合、一番の用途は末尾にも少しだけ書いた「思い出の保存」なのです。友達や家族と出かけた場所、風景、食べたもの。それらを撮っておいてあとで見返し、思い出にひたるのです。これはどちらかというと個人的な用途ですね。

 アイドルとしてのカメラアプリの用途は、SNSにアップする「自撮り写真」の撮影です。でも私、自撮りが苦手なんです……。周りの子たちのようにうまく撮れない。

 同世代の子たちが、自分自身にスマホのレンズを向け、自然な振る舞いと表情でポーズを決めているのをみると「すごいなぁ……」と思ってしまいます。

 私もそうやって撮ろうとするんですけど、誰も見ていないのに一人でにっこり笑ってカメラに向かってピースする姿が我ながらおかしくて、ふと「私、何やってんだ?」と思ってしまうんです。

自撮りはちょっと苦手な私…(池さん)

 だからかどうか、あとで自分の自撮り写真を見返すと、ちょっとぎこちない笑顔のものが多いですね。1枚ずつじっくり撮るのも恥ずかしいので、いつも連写機能を使って、バババッ!と一瞬で撮って、あとでその中から写りのよいものを選んでいます。

 撮った写真に凝った加工や効果をつけることができる写真加工アプリを駆使している同世代が多く、私も使っていた時期がありますが、最近はあまり使っていません。

 加工アプリで写真をめいっぱい「盛(も)って」みても、実物の私に変化があるわけじゃないからです。むしろ、直接会いに来てくれたファンの方々に「なんだ、写真と違うな」と思われかねない。

加工アプリ全盛の時代だけれど…(池さん)

 だから、私は、自撮り写真は基本的に無加工です。加工アプリ全盛の時代に、ちょっと武骨かも知れないけど、「写真より実物のほうがすてきな空気感だね」と言ってもらえたほうがうれしい。その意味では、ごくシンプルな機能しかないカメラアプリをあえて使っているともいえます。

 それを一歩進めて、加賀先生がおっしゃっているような「高画質・高精細な私を見たければ、ぜひ直接会いに来て下さるといいですよ」といった自己PRも、もしかしたら面白いかも知れませんね。

 スマホの扱いが得意じゃない私だからこそ、それを武器にして周りとの違いを打ち出すという作戦もできるのかも。

 あっ、それを書けばよかったんですね……。

池さんのサイン色紙プレゼント企画「とけるかな?」

 池帆乃香さんは、家で動物を…

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