首相「私的なスペースで親族と同席」 忘年会写真、問題ないとの認識

川辺真改
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 岸田文雄首相は2日午前、週刊誌に親族との首相公邸での「忘年会」で自身が写る写真が掲載されたことについて「公的なスペースにおいて、不適切な行為はない」と述べ、問題はないとの認識を示した。首相官邸に出邸する際、記者団の質問に答えた。

 2日発売の写真週刊誌「フライデー」が昨年12月30日の忘年会時の写真として報じた。写真には首相と妻の裕子さんが中央に並び、親族10人以上が写っている。首相は「公邸には私的なスペースと迎賓機能をもつ公的なスペースがある。私的なスペースにおいて、親族と同席したものだ」と強調した。首相は忘年会について、出席し、あいさつしたことは認めていた。

 松野博一官房長官は2日午前の記者会見で問題ないとの認識を示し、「今後とも公邸の適切な使用管理を徹底してまいりたい」と繰り返した。

 「忘年会」をめぐっては、長男で政務秘書官を務めていた長男・翔太郎氏らが、内閣発足時の記念撮影にも使われた赤いじゅうたんが敷かれた階段などで記念撮影をしていたことが報じられた。首相は政務秘書官を1日付で更迭した。(川辺真改)

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年6月2日10時33分 投稿
    【視点】

    公私混同を矮小化して問題なしとするこの姿勢が身内や自身への甘さを物語っています。以下、3日前のコメントを再掲させていただきます。 日本の公職のトップの一人と言える岸田首相は、政権発足時に長男を首相秘書官という特別職の国家公務員に任命

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    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター次長)
    2023年6月2日10時47分 投稿
    【視点】

    この問題で、岸田首相は首相公邸内の「公的」「私的」スペースの線引きをやたらと強調しているように見えますが、そもそも首相公邸は家族ら「身内」の方と大勢で「忘年会」を開くような場所なのでしょうか。公私の線引きにそれほどこだわるならば、そもそも「

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