奈良にいると売れない? リンゴを頭に載せた歌手、ファンに投げかけ

富岡万葉
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 8年間も頭にリンゴを載せて生活する、画家で歌手の鈴御(りんご)はんが、拠点とする奈良市内で初のトークサロンを開いた。元テレビディレクターの白附克仁さんを迎え、ファンら20人ほどの前で話した。

 鈴御はんは奈良市在住。京都で生まれ、東京で暮らし、あるとき思い立って奈良に引っ越してきた。歌手デビューは2013年。キテレツだけどまじめな曲を書く作詞・作曲家の水無月(みなづき)純さんと組んで歌うのは、奈良の風景や、乗ったこともない北海道の鉄道などなど。最近出した新曲のテーマは「うどん」だ。

 ふざけているわけではない。音楽家の故・坂本龍一さんが手がけたラジオのオーディション番組には数曲が採用された。テレビに出たときは、真剣に持ち歌をアピールして、明石家さんまさんにツッコまれた。

 スーパーでも電車内でもリンゴを載せたままだから、街中で興味を持たれることはしばしば。ただ、思うように売れない。何度か街頭でテレビ取材を受けても、ボツになって放送されない。

 昨年11月のバースデーライブでついに、背水の陣の宣言をした。「デビュー10周年の2023年にメジャーで活躍できなければ、11月で歌手は引退する!」

 5月に開いたトークサロンで鈴御はんは率直に投げかけた。「奈良にいるのは歌手として不利?」

 テレビを知り尽くした白附さんは「誰もが発信できる時代だから、ご当地歌手もいい。街頭インタビューが採用されなかったのは、リンゴにヤラセ感があったんちゃう? でも奈良でシカやっても普通やん」。

 希望はSNSにある。鈴御はんは短い動画を投稿できるアプリ「TikTok(ティックトック)」を使って、楽曲紹介やファンとの交流を楽しむ。トークサロンでメディアの過去と未来を語り合い、今後も奈良から発信を続けると気合を入れた。

 次回は7月8日。詳細は鈴御はんのティックトック(@5_season_ringo)で。(富岡万葉)

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