倉庫に眠る赤いドゥカティが白バイ転身 バイク好き署長が込める期待

手代木慶 村上潤治
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 深みのある赤い車体で知られるイタリア製バイクのドゥカティが「白バイ」に生まれ変わり、神奈川県警戸塚署の玄関に1日、鎮座した。交通安全の守り神になれば、と期待がかかる。

 このバイクはドゥカティ社のレーシングモデル「ドゥカティ999」(998cc)。赤の車体は白に塗り替えられ、カウリング(流線形の風防)に「POLICE」の黒い文字が映える。赤と青のLEDが点灯。白バイと同様に後部に白いサイドボックスも設置した。

 横浜市戸塚区の会社長黒田憲一さん(63)が2006年にバイクショップで約200万円で購入。腰を痛め、走行距離30キロで倉庫に長年眠っていた。地元の警察官友の会長も務める黒田さんは村上滋敏(しげとし)・署長(59)に活用を打診した。

 元白バイ隊の村上署長は隊の先輩の元警察官、倉林高宏さん(64)=藤沢市=に相談。倉林さんは趣味でバイクのレストア(修復)をしており、1カ月半で白バイ仕様に仕上げた。展示用だがタンク内のさびを除去し、燃料ポンプも直した。ドゥカティは「ドドドド」という独特の排気音を響かせ、蘇生した。

交通安全の啓発に

 生まれ変わったドゥカティは署の玄関に置かれた。バイク好きの村上署長は「光沢のある白色が美しく、できあがりは最高」と目を細める。イベントやお祭りに出張し、交通安全の啓発に使われる。

 神奈川県警が所有する138台の白バイは、すべてホンダのCB1300。ドゥカティジャパンによると、国内で同社のバイクが「白バイ」になった例はないという。(手代木慶、村上潤治)

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