両陛下、代替わり後初めて被災地を訪問 「ご苦労されましたね」
多田晃子
天皇、皇后両陛下は3日、東日本大震災の被災地を代替わり後初めて訪れ、岩手県陸前高田市にある国の追悼・祈念施設で供花、拝礼するなどした。両陛下は震災後、被災地に度々足を運んできたが、近年はコロナ禍でかなわなかった。
両陛下は震災の津波に耐えた「奇跡の一本松」を視察。説明した佐々木拓市長によると、一本松を見上げた両陛下は高さを聞いて「大きいですね」とこみ上げるように語ったという。天皇陛下は波が到達した場所を見て「随分高い所まで波が来ているんですね」と驚いたほか、津波で実家が流された市長に「大変でしたね」と声を掛けたという。
両陛下は東日本大震災津波伝承館も訪れ、震災体験の語り部ら3人と懇談。同館解説員などを務める女性には「子どもたちはどんな反応をしますか」「ご苦労されましたね」と声を掛けた。地域おこし協力隊として同市に移住した男性に、陛下は「どういう所が復興が進んでいるとお感じになりますか」と質問。「体に気をつけてこれからも続けて下さい」とねぎらった。