大阪市議会「定数81→70」の維新案 識者「普通の条例案と違う」

有料記事維新

聞き手・菅原普
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 4月の統一地方選で初めて大阪市議会の過半数を得た大阪維新の会が、議会定数(81)を11減らす大幅削減案を議会に提案した。異例の大幅削減に他党の一部から「多様な民意が失われる」と批判が上がるが、維新は「身を切る改革」とアピールしたい考えだ。今回の削減を専門家はどうみるのか。選挙制度に詳しい一般財団法人・行政管理研究センターの岡野裕元研究員に話を聞いた。

 ――今回の大阪市議会の定数削減の動きをどうみますか

 少子高齢化と人口減少で、自治体では一層の行財政改革が求められます。大阪市も例外ではなく、議会の定数削減自体はやむを得ない流れです。

 ただし、議員の仕事は、有権者に代わって議会で話し合って政治を進めることです。その議員の数が少なくなることは、市民と政治のつながりが薄くなることを意味する。定数削減には、丁寧なプロセスが求められます。

 ――市民と政治のつながりが薄くなることでどんな影響が考えられますか

 議員1人当たりの人口が増えることになるので、日常的に目配りすべき潜在的な市民・団体数も増えることになる。議員活動はより多忙になると予想されます。一方で有権者からすると、議員はなじみの薄い存在になりかねないので、不祥事が相次いだ場合には、市民からの不信感、ひいてはさらなる議員定数削減の声が増幅されることも予想されます。

 ――議会の公の場での議論は、計2日のみの見通しです

 維新は定数削減を公約に掲げていますし、選挙も直近に行われたばかり。また過半数を得て大勝したという3要因が絡み合い、「民意を得た」と判断したからでしょう。民主的正統性を得ており、各会派とも反対しにくい。

 ただ、議会のありようの根本…

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