4度目の正直なるか 夫に土下座 「殺人犯」の娘としての苦しみ

有料記事

編集委員・大久保真紀
[PR]

 事件発生から43年7カ月。当初から無実を訴える原口アヤ子さん(95)の第4次再審請求に対して福岡高裁宮崎支部は5日、どのような判断を下すのか。これまでに3度の再審開始決定が出たにもかかわらず、上告審でことごとく覆されてきた。長い間匿名を貫き、表舞台にはあまり出てこなかった長女京子さん(68)が今回、朝日新聞の取材に応じた。ある日突然、「殺人犯」の娘となった自身の苦しみを語った。

 京子さんは、高校卒業とともに集団就職で鹿児島県大崎町から県外に出た。21歳で結婚し、長男が2歳のときに、父母がともに「殺人犯」として逮捕された。

 「毎日泣いた。当時は夫とけんかばかりで、夫婦関係もメチャクチャになった」と言葉少なに語る。「子どもがいなかったら別れていたと思う」とも。

自分の両親が殺人犯として逮捕され、罪を問われたらーー。そんな状況に追い込まれた原口アヤ子さんの長女・京子さんが苦しい胸の内を語ってくれました。第3次請求で一審、二審ともに出た再審開始決定を最高裁が取り消したとき、京子さんは「これが最高の裁判所がすることですか」と連絡をしてきた弁護士に怒りをあらわにしたそうです。最初の再審開始決定が出たのは2002年。それから21年がたちました。

 京子さんは専業主婦だった…

この記事は有料記事です。残り1839文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません