地方銀行が逆風のさなかにある。米国の急速な利上げで保有する債券の価値が減じるなどし、利益が削られている。とりわけ、規模の小さい地銀は厳しい。国内で金利が上がっていく場合に備え、保有資産の点検や見直しが必要になる地銀もありそうだ。
本業は好調も債券価格が下落
地銀99行の2023年3月期決算は、うち38行の純損益が減益または赤字転落となった。地銀などに運用アドバイスを行う日本資産運用基盤グループ(東京都中央区)が集計した。
金融庁のまとめによると、本業のもうけを示すコア業務純益は地銀全体で前年比約10%増の1兆6818億円と堅調だった。設備投資など中小企業の資金需要が底堅かった。
ただ、売却した有価証券の損益なども反映した純利益は2・7%増の8776億円にとどまった。利益を削ったのは、米利上げなどによる債券の損失だ。
日本銀行が超低金利政策を続ける中、融資の利ざやが小さくなった地銀は、利回りの良い外国債券の運用を増やしてきた。
しかし、外債を巡る環境は昨…
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