高級生地「遠州織物」を身近に 織物業者と直接取引でコスト削減

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松浦新
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現場へ! ネット通販と地場産業

 静岡県浜松市に本社を置くアパレル会社「HUIS(ハウス)」は、常設の店舗を持たない。全国各地の百貨店で開かれる催しに、年間100回ほど参加する。常に2~3カ所で出している状態だ。

 ハウスが使うのは、高級生地として知られる地元の「遠州織物」だ。製造現場では、トヨタグループの創始者・豊田佐吉が発明したことで知られる自動織機が今も使われている。横糸を通すのに昔ながらのシャトルという道具を使うので、最近の織機の10倍以上の時間がかかる。細い糸を高密度で織ることができ、耐久性や肌触りはよくなるというが、値段も高くなる。

 遠州織物はこれまで主に、高級ブランドの服の生地として採用されてきた。流行を追う服は安定的には売れず、業者の経営は不安定で数も減ってきた。

 社長の松下昌樹(43)は浜松市役所に11年勤め、産業振興の仕事をしたこともある。買いやすい服をつくることで、遠州織物を支えたいと考えていた。服のデザインができる妻とともに2014年に起業した。

男女兼用のフリーサイズが7割

 常設の店舗を持つと家賃や人…

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