納豆、ポテチをつかむ専用のお箸 社内コンペから生まれた人気商品

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松浦新
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現場へ! ネット通販と地場産業

 地方の中小企業にとって共通の悩みはブランド力をいかに上げるかだ。コロナ禍をきっかけに商品を開発し、ネットで売り上げを伸ばしたところがある。

 竹箸製造のヤマチク(熊本県南関町)は創業60年で、従業員は28人。熊本や福岡の山から刈り取った竹を職人が削り、箸をつくってきた。以前は生産の全てが、相手先のブランドで販売してもらうOEM供給だった。

 3代目で専務の山崎彰悟(33)は、軽くてしなる竹の特性を生かした自社ブランドの商品を2019年に発売した。「職人のやりがいを大切にしたかった」と話す。

 ところが、売り方がわからない。デパートなどは仕入れてくれず、物産展などを回った。「出張費用を考えると、もうかっているのかわからない状況だった」という。

 転機はコロナ禍だった。都市部の量販店から客足が遠のき、OEM供給は大きく減った。自社ブランドの商品を売ろうにも物産展は開かれなくなった。

「自分が欲しいもの」を提案

 一方で、自宅で食事をする人…

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    サンキュータツオ
    (漫才師・日本語学者)
    2023年6月7日15時0分 投稿
    【視点】

    台所にお箸を収納する際に、頭の部分に色を施すのは、制作する際にはひと手間かかる作業ですが、使う側からすると一工夫で、うれしいですよね。 本文にあるように、従業員の方の多くが家族分のお箸を買う「当事者」でもあることは、とても大事なことだと思い

    …続きを読む