「地方で育児ができなくなる」 専門家が少子化に警鐘 負のループも

有料記事少子化を考える

村井隼人
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 出生数(2022年)は77万747人で過去最少となった。子どもの数が減っている問題は、地方でより深刻化している。少子化対策に詳しい静岡県立大学の藤本健太郎教授は、「地方では今後、育児ができなくなる恐れがある」と警鐘を鳴らす。

 これまでは都市部での待機児童問題が大きく取り上げられてきた。だが、生まれる子どもが減る地域では保育所の定員割れが起こり、施設が閉鎖に追い込まれるケースが出始めている。藤本教授は「育児サービスが近場でなくなれば、子育て世代が引っ越して、いなくなる」と指摘する。

 保育所がなくなれば、小学校の統廃合につながり、中学校にも波及していく。現役世代の流出は自治体の税収にも影響を与える。働く世代が確保ができなければ、企業も進出できなくなる。負の循環が深刻化すれば、北海道夕張市が15年以上前経験した財政破綻(はたん)に追い込まれる事態にもなりかねないと話す。

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