夫の映し絵のような姉を軽蔑の女性 上野千鶴子さんは「他人の人生」
悩みのるつぼ 相談者(40代女性)
40代です。過去、交際した男性は、私が聞いている音楽や本が「可愛くない」と矯正しようとしました。わけがわからないので、彼と別れました。相手に染まりきるのが結婚ならば、しなくていい。夫婦同姓もやってられません。
相談したいのは姉のことです。姉は交際相手や結婚相手が代わるたびに、趣味も読書傾向までも変わります。幼い頃の姉は私より聡明(そうめい)で、差別や偏見なく生きていました。今にして思えば、当時姉が一番好きな異性であった父を意識してのことだった思います。
それが交際相手や結婚相手に染まると、信条や偏見まで引き継いでしまいます。かつての姉には考えられなかった冷笑的な物言い、差別的な言動。夫の映し絵のような姉に軽蔑しかない。姉妹でもめると、どういうわけか毎回交際相手や配偶者に相談し、2人そろって責め立ててきます。
理不尽で不愉快ですが、諦めました。姉は洗脳されたようだと思ってしまいます。私の感覚がおかしいのでしょうか? 今の時代に「三従」そのものの女性がいて、しかもそれが姉! 驚いてしまう自分がおかしいのでしょうか?
回答者 社会学者・上野千鶴子さん
♪あなた色に染まりたい…花嫁が白無垢(むく)を着るのはどのようにも染まることを予期してということのようですから、あなたのお姉さまは「女の鑑(かがみ)」ですね(笑)。
にもかかわらず「交際相手や結婚相手が(何度も?)変わる」ご様子なのは、「女の鑑」の人生が決して安定した男女関係につながらないということですから、それはなぜなのでしょう? そんなに染まりやすい女に相手の男が嫌気が差すから? それともころころ変わるほどお姉さんが相手の男に飽きるから? 「三従」とおっしゃいますが、従う相手をしょっちゅう変えているのですから、とうてい従順な女性とは思えません(笑)。
もし後者なら飽きる度に別な…