敏感な天然記念物 ジュゴンの姿に思う「守るべき大切なものは」

有料記事

論説委員・前田史郎=社会社説担当
[PR]

 もぐもぐと海草を食(は)み、ゆったりと泳ぐ。5月の大型連休中、三重県鳥羽水族館で国の天然記念物絶滅危惧種のジュゴンを見た。国内の水族館で会えるジュゴンはこの雌のセレナだけだ。

 人魚のモデルとされるジュゴンは日本では沖縄近海にのみ生息し、分布域の北限にあたる。だがここ数年、確たる生息情報はない。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での基地建設が関係しているともいわれる。そんな中、ふんが見つかった。昨年7月に辺野古から約3キロ沖で浮遊していたものからジュゴンのDNAを検出した、と県が発表した。

 保護活動に取り組むジュゴン保護キャンペーンセンターの吉川秀樹さんは「絶滅が心配されたジュゴンの生息が証明されたことになる。餌を求め、周辺海域を回遊しているとみていい」と話す。

 ジュゴンは敏感な生き物で…

この記事は有料記事です。残り553文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません