米中の国防相が握手も「実質的なやりとりなし」 正式会談は見送りへ
シンガポール=下司佳代子 畑宗太郎
米国のオースティン国防長官と中国の李尚福国務委員兼国防相が2日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)の夕食会で同席した。米国防総省によると、両者は握手をし、短く言葉も交わしたが、「実質的なやりとりはなかった」(ライダー報道官)という。
米国側によると、5月初旬、この会議の開催中に米中の国防相会談を実施することを提案したが、中国側が5月末になって応じない意向を伝えてきた。米国が2018年から、ロシア製の戦闘機などの調達に関わったとして李氏を制裁対象に指定していることを問題視したとみられ、正式な会談は見送られる方向だ。
ライダー氏は2日夜の声明で、「互いの軍の間で、開かれた意思疎通の経路を保つことの重要性を信じている。責任を持って関係を管理するために、複数のレベルで有意義な軍同士の対話を求め続ける」と述べた。
夕食会は会議の初日夜に設定され、各国の閣僚らが参加した。オースティン氏と李氏は会場前方の同じ円卓に席が設定されていたが、数人を挟んで座っていた。(シンガポール=下司佳代子、畑宗太郎)
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