「頑張って強い男に」 性被害受けた男性が繰り返してしまったこと

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 京都市在住の大月隆生さん(25)は小学校低学年のとき、高校生の男子生徒から性被害を受けた。

 塾で姉のクラスが終わるのを外で待っていると、いつも遊んでくれていた高校生男子が「ポケットにいいものあるよ?」と言ってきた。肩車をしてくれたり、一緒に虫を探したり、あこがれの「お兄ちゃん」だった。

 「ここに入れて」とうながされ、高校生が着ていたジャージーのズボンの左ポケットに手を突っ込んだ。何かがあたる感触があった。「(手を)抜いていいよ」と言われるまで、しばらく触っていた。

【連載】子どもへの性暴力

朝日新聞デジタルでは3月に、「子どもへの性暴力」第8部として未成年の男子が受ける性被害について取り上げました。最近はジャニーズ事務所の問題でも関心が高まっています。企画やアンケートに寄せられた声から、男の子の性被害がはらむ問題や社会の課題について考えます。今回はその1回目です。2回目は6日に配信予定です。

 外に出てきた姉と入れ替わる…

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    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2023年6月5日11時0分 投稿
    【視点】

    男性は性暴力の被害者になりにくい。周囲も自分自身もこうした思い込みがあるために、女性であればすぐに性暴力と見做されるような行為が、問題化されにくい傾向があります。例えば、男の子同士の間で性暴力が発生しても、「悪ふざけ」と解釈されて終わってし

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    インベカヲリ★
    (写真家・ノンフィクションライター)
    2023年6月6日15時59分 投稿
    【視点】

    「男性の性被害が陰に隠れがちなのは、男性自身の加害性のある行為が多いということも関係しているのではないか」 という分析は、あまり聞かないだけに興味深い。 ちょうど今、私が取材している男性の中に、性被害者から性加害者への道を辿った人がいた

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