車いすを乗車拒否「スロープ見つからず」 市営バス運転手を停職処分
車いすの利用客を「乗車拒否」し、道路運送法(運送引受義務)に違反したなどとして、大阪府高槻市は2日、市営バスの40代男性運転手を停職3カ月の懲戒処分にし、発表した。運転手は地面とバスの乗降口を橋渡しする「スロープ板」を車内で見つけられず、乗車しようとした利用客に「次のバスに乗ってください」と伝えたという。
市交通部によると、運転手は5月29日午後2時ごろ、阪急富田駅停留所で車いすの男性が乗ろうとした際、スロープ板の格納場所を確認できず、「車いすの乗車対応ができない車両」だと思い込み、男性に「次のバスに」と伝えてバスを発車させたという。男性は30分後、次の便に乗った。男性から営業所に連絡があったことで発覚し、市は近畿運輸局に報告した。
市営バスの路線バスには車いすでも利用できるよう全車両にスロープ板などがあり、この運転手がいたバスには運転席の後ろにスロープ板が格納されていた。
市によると、この運転手が普段運転するバスは中型車(約45人乗り)などで、スロープ板の格納場所が乗降口付近にある。だが、この日運転したのは小型車(約30人)で、スロープ板を格納する場所が違っていたという。運転手は市の調査に「スロープが見つからず、頭がパニックになった」と話しているという。(島脇健史)
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