3月に連載した「子どもへの性暴力」第8部で、実母から性交を強いられていた男子高校生について取り上げたところ、「決して珍しいことではない」と指摘する声が電話相談を受けている3人から寄せられた。
60代の女性相談員は「10代後半の男子からある、実母や継母などからの性暴力についての相談が顕在化してきた」と話す。実母の場合は、多くが母子家庭で、母親が寂しい思いをしながら一生懸命働いている姿を見ていて、自分が嫌でも母の要望を断れないでいるという。
【連載】子どもへの性暴力
朝日新聞デジタルでは3月、「子どもへの性暴力」第8部として未成年の男子が受ける性被害について取り上げました。最近はジャニーズ事務所の問題でも関心が高まっています。企画やアンケートに寄せられた声から、男の子の性被害がはらむ問題や社会の課題について考えます。今回はその4回目です。5回目は12日配信予定です。
「自分も快感を得ているため同罪だと思ったり、性の問題なので人には言えないと話したりする男子が多い。感じるのは、子どもを取り巻く大人の存在が少ないこと。母子で生活が完結してしまっている」
■「被害者」でなく、「共犯」…
- 【視点】
時代に合った性教育を取り戻さなくてはいけません。 私も電話相談員の方の話を聞いたことがあります。拙書『スポーツ毒親』で指導者からの男子生徒への性暴力を取材した際のことです。相談員の女性が「(学校の)先生よりも実のお母さんによるもの(性虐待)
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