第2回野球部のない学校、3度目の甲子園へ マーチング部が休んでみたら…

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島脇健史
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 気持ちは揺れた。

 「部を吹奏楽部とマーチングバンド部の二つに分けます」

 指導する先生たちから、そんな投げかけがあったからだ。

 吹奏楽部を選べば、「吹奏楽の甲子園」とも言われる全日本吹奏楽コンクールを目指せる。

 一方、動きながら演奏するマーチングは部員同士がぶつかることもあり、本番で何が起きるか分からない。だからこそ、達成感と喜びが大きい。

 2年前、四條畷学園高校(大阪府大東市)の1年生だった赤堀愛子さんは、悩んだ末に後者を選んだ。

 翌年に発足したマーチングバンド部で、仲間で一緒にモットーを決めた。

 全員でカッコよく!仲良く楽しく一生懸命!

 いま、3年生になった赤堀さんはキャプテンとして77人の部員を率いる。

 そして野球部がない学校で、甲子園のアルプススタンドに立つようになった。

 「すごい開放感。気持ちいい」。球場に反響して、どこまでも音が飛んでいく感覚が、今も心に残る。

 同校の吹奏楽部が二つに分かれるまでには、長い歴史があった。

連載 アルプスの夏音

高校野球「夏の甲子園」に欠かせないアルプススタンドの音色。吹奏楽部員の思いは、逆転劇を彩る「あの曲」にまつわる秘話は。「甲子園ブラスバンドフェスティバル」(6月11日)の出場校に聞きました。この記事中では四條畷学園の特徴や練習の様子を収録した音声「ポッドキャスト」も聞けます。

休日を増やして、練習日は2倍?

 吹奏楽部は1983年、部員6人でスタート。2005年度に学校が専門コース「吹奏楽クラス」(22年度に募集終了)の募集を始めてからは部員が増え、1学年だけで50人を超えるようになった。

 吹奏楽コンクールには当時…

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