「ヒヤマケンタロウの妊娠」作者が考える孤立出産 男性不在の問題か
聞き手・田中聡子
一人では妊娠できないのに、孤立出産に追い込まれ、遺棄容疑などで逮捕されるのは、女性たちです。孤立出産は「男性不在」の問題なのでしょうか。「ヒヤマケンタロウの妊娠」で「男性妊娠」を描いた漫画家の坂井恵理さんに話を聞きました。
孤立出産の報道に接した時、「相手の男はどこに行った」という声がしばしば上がります。確かに1人で妊娠はできないのに、男性は関わらずに済むという不均衡がある。でも、問題はそれだけでしょうか。
漫画「ヒヤマケンタロウの妊娠」は、男性も自然妊娠する設定です。「男性妊娠」した主人公を通して、妊娠・出産に関して女性に押しつけられる負担を描きました。産むまでは「無事に産むこと」を最優先しなければならず、出産後も、育児や保育園探し、仕事のやりくりなどを主に女性が担う場合が多いでしょう。
負担を押しつけられる女性、逃げることのできる男性
男性の自然妊娠率を「女性の…