「米中対立は他国の繁栄を妨げている」。カンボジアのティア・バン副首相兼国防相は4日、シンガポールでの演説で、米国と中国双方に釘を刺した。
「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)の最終日、「協調的な安全保障モデルの開発」と題したセッションに登壇した。
会議の期間中、参加国の多くが米中対立への懸念を語った。ティア・バン氏は経済的な影響に触れ、「米中どちらかが衰退すれば、世界に悪影響を及ぼす。どちらにも衰退してほしくない」と両国に自制を求めた。
南シナ海の緊張にも言及した。ベトナムやフィリピンなど複数の国・地域が中国と領有権を争っており、海洋進出を強める中国を抑止したい米国も安全保障面で関与を強めてきた。
カンボジアは経済的、政治的に中国と関係が深く、南シナ海では係争国ではない。ティア・バン氏は「(米中双方が)受け入れ可能な解決策が出されることで、南シナ海に緊張がなくなり、正常な状態に戻ることを願う」と訴えた。
カンボジアと中国の関係をめ…