「冷戦よりもやっかい」 米中が衝突を避けるために必要なこととは

有料記事アジア安全保障会議

シンガポール=其山史晃 西村宏治
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 4日までシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)では、地域の軍事的な課題などをめぐって多様な視点から議論が交わされました。注目されていた米国と中国の国防相会談は開かれませんでしたが、今後、米中対立の行方はどうなるのか。ウクライナでの戦争はインド太平洋地域にどう影響を与えるのか。同研究所のユアン・グレアム上席研究員に聞きました。

 ――米国のオースティン国防長官と中国の李尚福国務委員兼国防相の会談は実現せず、握手に終わりました。

 正式な会談をしなかった事実は、問題が戦術的、政治的なものではないことを示しています。長期化する激しい競争関係にある米中の構造に結びついているのです。軍備管理の枠組みはなく、その競争にはほとんど制限がありません。米本土上空に飛来した中国の気球を米軍が撃墜した問題は、その危険性を示唆しています。

米中にとどまらない大国間競争

 ――中国は、米国が中心となって築いてきた現在の国際秩序に挑戦しているようにみえます。

 米中関係を冷戦と比較したが…

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