アジア太平洋地域の安全保障担当閣僚らが集まる「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)が4日、3日間の議論を終えて閉幕した。
最終セッションに登壇したホスト国シンガポールのウン・エンヘン国防相は「不測の事態が起きた場合に、対話の経路があれば事態の拡大を防ぐことができる」と語り、国防トップの間で対話の道を維持することの重要性を訴えた。
会議で最大の注目を集めたのは、米国のオースティン国防長官と中国の李尚福・国務委員兼国防相との初の面会だった。
だが、公式の会談は実現しなかった。
米国側は会談を持ちかけたが、中国側が拒んだ。李氏が装備の調達担当だった時期に、ロシアからの防衛装備品購入にからんで米国が李氏を制裁対象に加えたことが背景にあった。
それでも初日の2日にあったアルバニージー豪首相の基調講演や、2日目のシンガポール政府主催の大臣昼食会など、期間中にふたりが会場で顔を合わせる機会はあった。初日の基調講演の際に握手を交わした写真は世界中に報道された。
昼食会を主催したウン氏は4日の会見で「米国は会いたいと言い、中国は条件が整っていないと言う。互いに相手に応じるべきことがある」としつつ、「両国は会談したいのだと思う。両国にまかせるしかないが最終的には会談にいたると確信している」と述べた。
2002年に始まったシャン…
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