280人犠牲の列車事故、電子連動装置に不具合か インド当局が見解

ニューデリー=石原孝
[PR]

 インド東部オリッサ州で2日夜に起き、約280人が犠牲になった列車同士の衝突事故を巡り、バシュナウ鉄道相は4日、「根本となる事故原因は(列車の進路を制御する)電子連動装置に起因していた」と説明した。当局は、安全に運行するための装置に、何らかの理由で不具合が生じたとみて調査を進めている。

 複数の地元メディアによると、事故は2日午後7時ごろに同州バラソールの駅近くで発生。南部チェンナイ行きの旅客列車が本線ではなく、迂回(うかい)路線に入り、停車していた貨物列車と衝突して脱線。その後、対向してきた別の旅客列車とぶつかったとみられている。

 事故に巻き込まれた旅客列車には当時、計約2千人の乗客がいたとされる。死者数は4日朝時点で約280人に上り、近年では最大の列車事故になった。

 主要都市間を結ぶ路線だったこともあり、当局は現場での復旧作業を急ぎ、旅客列車の一部が4日夜から再開したとしている。

 モディ首相は3日に事故現場に入り、遺族や負傷者への補償を実施すると表明。「(罪を犯した者は)厳しく罰せられる」とも訴えた。

 事故後、日本の岸田文雄首相のほか、米国のバイデン大統領やロシアのプーチン大統領らも哀悼の意を示した。(ニューデリー=石原孝

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら