バスケットボールのBリーグ・琉球ゴールデンキングスは、5月下旬に行われたファイナルで千葉ジェッツ(J)に2連勝し、初優勝を遂げた。草創期からチームを支える安永淳一ゼネラルマネジャー(GM)にここまでの道のりを振り返ってもらった。すると、沖縄の土地に魅せられ、溶け込んでくれた異国の選手たちへの感謝の言葉があふれてきた。
――bjリーグでは4度優勝していますが、2016年に始まったBリーグでは初優勝です。
bjは、サラリーキャップ(チーム人件費の上限)があったので、どこに合わせてどんなチーム作りをすればいいのか分かっていた。Bリーグは急成長していて、サラリーキャップもない。どこに合わせればというのは見えない。あらゆる可能性を駆使して、チームを強くする。本物の競争の中での戦い。その中での優勝はやはり、違う。
――今季、ホームゲームは1試合平均で6500人を超える観客が集まりました。リーグ最多です。
他クラブは、リーグが設定した新B1基準(平均観客4千人以上、年間売り上げ12億円以上、アリーナの確保)に対応しようとしているが、僕らはいずれも、もうクリアしている。だから、チケットを買ってくれたお客さんをいかに満足させるかを考えて続けている。クラブとしての価値を上げ、ブランドをつくる。一定の手応えを得たシーズンだった。
その上で、一番の商品であるチームが優勝できた。両方をつかまえた、という思いだ。
――追われる身になりました。
うちは6年連続で西地区を制していたけど、プレーオフではいつも東地区のチームに負けていた。
今回のファイナルはシーズン最高勝率の千葉Jが相手で、成績のどこをみても向こうの方が上。だけど、僕らは本当の底力を発揮することで2試合勝てた。千葉Jは、すごく悔しい、不完全燃焼の気分で終わっているはずだ。GMの立場でこういうのはダメかもしれないが、必ず優勝する、ということを言うのは、やはり難しい。
まずは、現有勢力の保持が大切。どこのチームも、これだけ活躍したキングスの選手はほしいだろうから。選手の給料は10%、20%と毎年上がっている。50%上がる選手もいる。今季は優勝ボーナスなんかも計算しないといけないので、大変だ。
――ファイナルでも大活躍だったジャック・クーリー選手は優勝後、感激して泣いていました。彼も“大人気”なのでは?
毎年のように、他クラブから…
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