中国の李尚福国務委員兼国防相は4日、シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で演説した。「覇権主義の先にあるのは戦争と混乱だ」と述べ、直接の名指しは避けつつもアジア太平洋への関与を強める米国を強く牽制(けんせい)した。
3月の国防相就任以来、李氏が国際会議で演説するのは初めて。李氏は35分にわたった演説で、一貫して米欧を中心とした国際秩序に強烈な不満を示した。
米国を念頭に「ある国は」と繰り返し、「他国の内政に手を突っ込み、その地域をめちゃくちゃにしてきた。アジア太平洋では同じことを繰り返させない」と強調。「覇権主義の最大の特徴は、他国の戦略的自主性を奪うことだ」として、米国の対中戦略が地域諸国を米中対立に巻き込んでいると批判した。
台湾問題にも言及
中国の脅威を背景に日米など…