ガーシー容疑者、捜査員同乗せず 現金持たず、押収はスマホ1台

山口啓太 福冨旅史
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 前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)が暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑などで警視庁に逮捕された事件で、東谷容疑者がアラブ首長国連邦(UAE)から空路で帰国する際、日本の捜査当局の捜査員が同乗していなかったことが捜査関係者への取材でわかった。

 UAEを出発したのは現地時間の4日未明。現金は持っておらず、同庁が押収したのはスマートフォン1台で、帰国は急きょ決まったという。

 東谷容疑者は4日夕方に成田空港に着き、同庁に逮捕された。捜査関係者によると、東谷容疑者は4日午前7時40分ごろ(現地時間同日午前2時40分ごろ)に飛行機でUAEを出発し、約10時間かけて成田空港に到着した。機内には警視庁などの捜査員は同乗していなかったという。到着時、東谷容疑者はTシャツにサンダル姿だった。

 日本の捜査当局が海外にいる容疑者を逮捕する際は、帰国する飛行機に捜査員が同乗し、機内で逮捕状を執行するケースもある。

警視庁関係者「自主的な帰国ではない」

 警視庁などは5月22日以降、捜査員をUAEに派遣して東谷容疑者の帰国に向けて交渉しており、UAE当局の動きで実現したという。警視庁関係者は「自主的な帰国ではない」としている。

 捜査2課などによると東谷容疑者は2022年2~8月、動画投稿サイト上で俳優、実業家、デザイナーの3人に対し、「爆弾はいっぱいあります」「やってきたことを晒(さら)します」などと、本人らの名誉を傷つけることをほのめかし、脅迫したなどの疑いがある。デザイナーに対しては、サイト上で事業活動を終了するよう強要し、業務を妨害したなどの疑いも持たれている。

 事件では、東谷容疑者と共謀した疑いで40代の男性会社役員が4月、UAEから帰国後に逮捕されたが、処分保留で釈放されている。(山口啓太、福冨旅史)

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