踏まれたオウサマペンギンの子、人の手で成長 新天地で散歩にも挑戦
張春穎
【動画】人の手で育てられた子どものオウサマペンギンが新天地に=下田海中水族館提供
この春、子どものペンギンが水族園から旅立った。
名前はスウ。東京都江戸川区の葛西臨海水族園で生まれた1歳10カ月のオウサマペンギンのオスだ。
性格はおだやかで、飼育員が来ても動じず、エサをおとなしく待ち受ける。仲間が飼育員の手を突くように、パクッと取るのとは違う。
オウサマペンギンは18種類いるとされるペンギンの中で2番目に大きく、南極大陸周辺の島々に生息する。巣は作らずに、卵を足の上に置いてオスとメスが交代でおなかの皮をかぶせてあたため、子育て期間が1年と長いのが特徴だ。首元のオレンジ色は鮮やかで園でも人気だ。
実はこのスウ、同園では初めて人の手で育てられたオウサマペンギンだ。名も人工育雛(いくすう)に由来する。繁殖続きの両親の負担を考え、別のペアに預けられたが、そのペアのオスとメスがスウを奪い合い、踏まれる事態に。命の危険があるため、飼育員が育てることになった。
ベタベタするのは禁物
園はかつて人工育雛に2度挑…
- 【視点】
飼育員が育てた人口育雛(いくすう)だから「スウ」という名前なのには思わず笑ってしまったが、野生動物の海外からの輸入が非常に困難な今の状況では、国内動物園での人工繁殖はオウサマペンギンに限らず重要不可欠な作業である。しかしもともとの生息環境が
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