34年後もなお緊張 天安門事件の遺族「政府は記憶を消し去ろうと」
1989年に中国の民主化を求めた学生らが軍に武力弾圧された天安門事件から、4日で34年を迎えた。首都北京では、天安門事件にかかわる現場に多数の警察車両が繰り出すなど緊張が漂った。
34年前の6月3日夜、北京郊外で待機していた軍の部隊が市中心部に入り、民主化を訴えていた学生らへの弾圧を始めた。
今年の3日深夜、学生の一人が銃撃で命を落とした市西部の長安街沿いの地下鉄駅では、すべての出入り口に当局者とみられる私服の男たちが立ち、道行く人に目を光らせていた。
かつてはこうした現場に遺族が集まり祈りを捧げることもあったが、当局の取り締まりは強まる一方だ。今年も遺族や各地の人権活動家らが、当局の用意した施設や自宅で軟禁状態に置かれたり、外部との連絡を制限されたりしている。
事件の犠牲者の遺族でつくる「天安門の母」は5月にネット上で声明を発表し、「政府は6月4日の惨劇に対し、取り締まりと引き延ばしという手段をとり続け、人々の心からこの残酷な事実の記憶を消し去ろうとしている」と訴えた。
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