まち工場を救うのはクラゲ! パート女性が磨きだした銀色のきらめき
辻岡大助
ほこりが舞い、シャーシャーシャーと音が響く。
その工場に足を踏み入れると、グラインダーにアルミを当てる音が聞こえてくる。
作業しているのは30代から40代までの女性だ。
5人のチームが作業をしていた。
山形市の柏倉工業所。
本来は自動車部品の研磨をするのが主な仕事だ。
作業場に近づいてみる。
機械のそばに置かれた箱には、子どもの手に収まる大きさのアルミの端材がぎっしり。
製品づくりで削る際に出たものだという。
女性たちは、それを3センチあまりのサイズに機械で削る。
さらに鏡のようになるまで研磨していく。
そして、女性は先端が微細に振動する鉄のペンを手に取った。
キラリと光る小さなアルミの表面に、何かを描いた。
よく見ると……。クラゲだ。
「銀の水族館」
それがこのアルミの端材を使った雑貨のブランド名。商品は箸置きだ。
なぜ、この工場で箸置きを作るのか。
従業員のほぼ半数が女性
「仕事を失った大勢のパート…
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