「寺が私を呼んでいる」 息子亡くした女性、山間部の寺を修行道場に

有料記事

大野博
[PR]

 ふだんは無人の山間部の寺を修行の道場に――。周辺の過疎化で維持が困難になりつつある寺を再生する試みが奈良県五條市で進んでいる。修行者と地域の人たちとの間には交流も生まれ、地域の活性化につながるとの期待もふくらむ。

 「ノウマクサマンダ バザラダンカン センジキャソワカ」

 五條市西吉野町の山間部にある西光寺の本殿に、古代インドのサンスクリット語による「真言(しんごん)」が響く。「護摩木をくべたのでお受け取り下さい。悟りを開きたいのでよろしくお願いします」と不動明王に語りかける内容という。

 黒とカラシ色の衣に身を包み、燃えさかる炎を前に「護摩行」を続けるのは、香芝市のヨガインストラクター、竹下暁代(僧名・暁蓮)さん(53)。

 竹下さんは13年前に大学生だった長男を交通事故で亡くして以来、喪失感にさいなまれてきた。昨年4月、五條市の古刹、生蓮寺(しょうれんじ)が僧侶のなり手を募集しているのをインターネットで見つけ、「このお寺が私を呼んでいる」と直感し、仏の道を志した。

 高野山真言宗の僧侶の資格の…

この記事は有料記事です。残り658文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら