ロシア軍からの侵攻を受けるウクライナによる反転攻勢に注目が集まっています。松村五郎・元陸上自衛隊東北方面総監は、「ハイリスク・ハイリターン」と「ローリスク・ローリターン」の作戦の組み合わせが、反転攻勢が成功する重要なカギになると語ります。
――ウクライナ軍による反転攻勢の目標はどこに置かれているでしょうか。
(2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部)クリミア半島を含めた全領土を一挙に回復することが非常に難しいことは、ウクライナも知っています。2022年2月のロシアによる侵攻直前の状態まで押し戻すことを当面の目標にしているでしょう。
侵攻直前の状態まで押し戻したうえで、米英なども含めた政治交渉を通じ、東部ドンバス地方やクリミア半島の奪還を目指す可能性があります。
この目標を達成するためには、少しでも広い領土の回復が必要です。具体的には、地道な攻撃を重ね、少しずつ領土を回復する「ローリスク・ローリターンの作戦」と、ロシア軍の虚を突くような大胆な作戦で一気に奪還する「ハイリスク・ハイリターンの作戦」を組み合わせる必要があると思います。
「ローリスク・ローリターンの作戦」とは?
――「ローリスク・ローリターンの作戦」とは何でしょうか。
南部のヘルソン州やザポリー…
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