自衛隊「最北の駐屯地」名物 オールライフルマン訓練って何?

岡田昇
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 陸上自衛隊「最北の駐屯地」は北海道名寄市に置かれている。夏と冬の気温差が60度にもなる厳しい自然環境で鍛えられた部隊は精強さで知られ、2004年には第1次イラク復興支援群として派遣された。

 そんな駐屯地で2年前に始められたのが「オールライフルマン」と呼ばれる訓練だ。自衛官になって最初に教わる、最も基本的な武器が小銃(ライフル)。ライフルの命中率や射撃スピードなどの練度を上げるため、一丸となって取り組んでいる。

 なぜ、ライフルなのか。

 広報担当者は「同じ武器の訓練をすることで、隊員の一体感を育てるため」と話す。

 名寄駐屯地には、地上戦闘の骨幹となる普通科をはじめ、装甲車両を扱う機甲科、火力戦闘を担う野戦特科など様々な職種が存在する。

 「職種が違うと文化が違う」といわれる自衛隊で、職種の垣根を越えた帰属意識を生み出したい。そのためには、専門分野の能力を磨くことに加え、全員でライフルの訓練をすることが役立つのだという。

 名寄駐屯地の中心となる第3普通科連隊は昨年3月、第3即応機動連隊に改編された。各地に展開する機動力を高めるため、普通科主体の部隊に様々な職種が加わった。そのため、隊員同士の相互理解がこれまで以上に重要になっているという。

 「機動戦闘車や迫撃砲のスペシャリストも、最後の局面になったら自分のライフルで戦う」

 隊員の一人は自衛官の心構えをそう話した。(岡田昇)

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