能登半島の群発地震「10年近く続く可能性も」 流体の動きが鈍い?
石川県の能登半島で最大震度6強を観測した地震から1カ月。相次ぐ地震はいつ終わるのか。
能登半島では2020年12月ごろから「群発地震」が続いている。南部→西部→北部→東部(北東部)の順で震源域が広がっていて、震源がだんだん浅くなっている。地下深くから上昇してきた流体が関係していると考えられている。
5月31日の政府の地震予知連絡会で「震源が移る速度が遅いことが、能登半島の地震活動の長期化につながっている可能性がある」と報告したのは、金沢大の平松良浩教授(地震学)だ。
平松さんらの研究チームは18年5月~22年6月に能登半島で起きた地震の震源の位置が移っていく速度(拡散係数)を推計した。
すると、南部を除いて拡散係数は毎秒0・1平方メートル程度。箱根山(神奈川県箱根町)など国内の火山性の群発地震と比べると、1桁程度遅かった。
群発地震では、拡散係数が小さいほど、継続時間が長期化する傾向があるという。能登半島の今回の地震は、計算上は平均で2~3年程度、最長で5~8年程度続くことを示している。
平松さんは「あくまでも経験則だが、10年近く続いても不思議ではないということ。流体が移動するスピードが遅く、なかなか断層から抜けていかないことが、能登半島の群発地震が長期化している要因の一つになっている可能性がある」と話す。
群発地震は火山周辺で発生す…