コロナ無料検査で不適正申請 大阪府、7事業者42.8億円を不交付
大阪府は5日、新型コロナウイルスの無料検査事業の補助金について、検査数を水増しするなどの不適正な申請があったとして、府内7事業者に対し計約42億8千万円を不交付にすると発表した。府は今後、調査範囲を無料検査に携わった全370事業者に拡大する。
府によると、2021年12月~23年3月に行った無料検査事業について、不適正な申請が行われていると複数の情報提供を受けたという。府は補助金の規模などから15事業者を対象に、22年11月以降、申込書類などの確認や、従業員への聞き取りを実施した。
その結果、10事業者でPCR検査と抗原検査を実施したと申請していたが実際は片方しか実施していなかったなどの事例が判明した。府は書類の修正を求めたうえで、記載の受検者に実際に受検したかなどを確認。修正後も7事業者で不適正な記載が見つかったため、補助金計約42億8千万円の不交付を決めた。そのうち支払い済みの11億3千万円は返還を求めた。
今回の不適正な申請について大阪府警にも情報提供している。吉村洋文知事は5日、記者団に「無料検査事業で不正があったことは非常に問題だと思い、厳しく対処していく」と述べた。
府は、実態把握のため調査専用のコールセンターを6月末まで設置。8月中をめどに調査結果を公表するという。
無料検査をめぐっては、東京都でも22年度分で約183億円の不正申請が発覚し、交付が取り消されるなどしている。(岡純太郎)