「出勤率4割」へ兵庫県が実証オフィス開設 理由はコロナではなく…
兵庫県は5日、テレワークやペーパーレスといった働き方改革を進めるための実証施設「モデルオフィス」の運用を始めた。出勤率を4割に下げて県庁舎のコンパクト化を目指すが、課題も多そうだ。
モデルオフィスは約4400万円をかけ、神戸市中央区の生田庁舎5階に設置。今月は総務部各課の約60人が勤務する。コピー機や棚を少なめにして紙を減らし、フリーアドレス席の導入で他部署の職員と意見交換するなどの環境を試してもらう狙いがある。
モデルオフィスにあわせて総務部では約6割の職員が在宅勤務に。各職員が在宅やモデルオフィスでの勤務を日替わりで経験する。こうした運用を来年2月にかけて各部が1カ月ずつ交代で続ける予定という。
「出勤率4割」の実現性について、斎藤元彦知事はこれまで「窓口対応の多い市町に比べ、県の本庁機能は企画立案などが中心。十分テレワークで対応できる余地がある」と説明してきた。
ただ、通信環境の整備や電話への対応、ペーパーレス化がどこまで進むかなど課題もある。この日モデルオフィスで勤務した女性職員(31)は「紙でしか保存されていない過去の資料を本庁舎に確認しに行く場面が多く、問い合わせで相手を待たせてしまうこともある」と話した。
出勤率4割を掲げる背景には、庁舎の解体がある。
県は3月、耐震不足の県庁舎1号館と2号館を2026年度から解体すると発表。解体後は在宅勤務を進め、なるべく既存施設で執務スペースを確保したい考えだ。斎藤知事は「新庁舎を建てる前提では考えていない」と強調。建設せずに済めば他の事業にお金を回せるとして、働き方改革を進めながら新庁舎の必要性も検討したいという。(鈴木春香)
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