嶋田しづ、三岸節子らの、のびやかな筆致 早大で「わたしが描く」展

松沢奈々子
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 「抽象画」の嶋田しづ、ロシアの前衛画家ワルワーラ・ブブノワ、女性洋画家として初の文化功労者となった三岸節子……。早稲田大学會津八一記念博物館の「わたしが描く」展では、同館所蔵のコレクションを中心に、画業をなりわいにした女性たちの活動の軌跡を紹介している。作風や手法は様々だが、勢いのある作品が並ぶ。

 戦時下、早大で学び、渡仏して抽象表現を極めた嶋田の作品は、色彩とモチーフの組み合わせが洗練されて軽やか。女性画家の地位向上を目指した三岸が描いた花のモチーフは、力強く生命力であふれている。

 画家として認められることが困難だった時代、画壇の男女差別にあらがい、芸術と本格的に向き合った彼女らの筆致はのびやか。型にはまらない自由な姿勢がすがすがしい。7月6日まで。水曜休館。(松沢奈々子)

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