給付金水準引き上げ検討 支援弁護士制度も 犯罪被害者支援で政府

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編集委員・吉田伸八
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 政府は、犯罪に巻き込まれた被害者や遺族を支援するための施策や体制を強化することを決めた。犯罪被害者に支給する給付金の水準の引き上げや、被害者を支援する弁護士制度の創設を検討する。

 政府の犯罪被害者等施策推進会議(会長・岸田文雄首相)が6日に開かれ、決定した。

 政府が検討する柱の一つは、犯罪被害給付制度の抜本的な強化だ。現在、殺人など故意の犯罪で死亡した人の遺族と、重い傷病や障害を負った人に給付金を支給する制度があり、上限額の引き上げや対象の拡大などが行われてきた。遺族への給付額は、被害者の収入や生計を同じくする家族の人数や年齢に基づき算定され、2021年度の遺族への平均支給額は約665万円だ。

 これに対し、交通死亡事故の自賠責保険の支払額は平均約2400万円で、被害者側が加害者を訴える民事訴訟では遺族に1億円前後の損害賠償が認められる例も珍しくない。これらと比べると遺族給付金は大幅に低いという。

 このため推進会議の決定では、民事訴訟の損害賠償額も見据えながら、給付金の算定方法を見直して給付水準を大幅に引き上げることなどを検討し、1年以内をめどに結論を出すと明記。警察庁は近く有識者会議を設置し、その議論を踏まえて引き上げの具体的なあり方を検討する。

 また、犯罪の被害者や遺族は…

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