ケガも自分見つめ直す「オフ」に 英国ロイヤル・バレエ高田茜の開眼

有料記事

編集委員・吉田純子
[PR]

 踊ることは、語ること。演劇の国、英国の矜持(きょうじ)を示す英国ロイヤル・バレエ団が4年ぶりに来日。伝統の「語るバレエ」を体現するプリンシパルの高田茜が、2度目の凱旋(がいせん)を果たす。「アレッサンドラ・フェリのように、指先にまで心を行き届かせ、無意識のしぐさに宿る人間の心理をも表現したい」と意気込む。

 英国ロイヤルの特色は、自国のシェークスピアの伝統とともに、ロシアの古典バレエもベースとする演劇性の豊かさだ。ことバレエという芸術において、日本人の体格は優位であるとは言えない。しかし英国ロイヤルにおいては、表層的な「見せ方」を超え、内面を吐露するものとしての技巧を磨き抜いた熊川哲也吉田都がプリンシパルとなり、伝統を未来へと拓(ひら)く役割を果たした。

 今回、高田はマクミラン版「ロミオとジュリエット」のジュリエットを演じる(7月2日)。彼女の生い立ちにまで想像をめぐらせ、人物像を造形した。

 「ロミオとの出会いがなぜ自…

この記事は有料記事です。残り888文字有料会員になると続きをお読みいただけます。