夏の北極、早ければ2030年代に氷消える可能性 国際チームが予測

有料記事気候変動を考える

矢田文
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 早ければ2030年代に夏の北極海の氷が解けてなくなるとのシミュレーション結果を韓国などの国際研究チームがまとめた。世界目標である、産業革命前からの世界気温の上昇を1・5度に抑えたとしても氷がなくなる可能性があるという。温暖化生物多様性の損失の加速が懸念される。

 北極海の氷は毎年春から夏にかけて解け始め、9月に最も減り、冬に海が凍ると再び増加する。北極圏はほかの地域より温暖化が進んでいる。海氷は年々縮小しており、特に00年以降は急速な勢いで減少が進む。北極海の氷がなくなると地球全体の温暖化も加速するといわれ、海洋環境が変化することで北極圏内外の生態系にも影響が及ぶ。

 研究チームは1979年から2019年に観測されたデータを分析し、将来の北極海の氷がどうなるのかシミュレーションをおこなった。その結果、氷の減少は主に温室効果ガスの排出量増加に影響を受けており、早ければ30年代の9月にはすべての氷が解けてなくなることが予測された。

 国連の気候変動に関する政府…

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2023年6月7日21時26分 投稿
    【視点】

    また新たにとんでもない予測データが出てきました。北極や南極の温暖化は急速に進んでいるので、ある程度予測できたことなのかも知れないですが、「すべての氷が解けてなくなる」未来を想像したことがなかったので、読んでいてしばし放心状態になりました。も

    …続きを読む