シイタケ揺らして育成 この振動が菌糸を広げ、害虫のハエも抑制
矢田文
シイタケを揺らして育てる。そんな栽培方法の開発に森林総合研究所(茨城県)のチームが挑んでいる。適度な振動を与えることで、成長促進と害虫対策のダブルの効果が期待できるという。
シイタケは、おがくずのブロックや原木などの培地(菌床)にタネとなる菌を埋め込んで育てる。シイタケ生産者の中では、こうした菌床をたたくとシイタケがよく成長すると言われていたが、実際に効果があるかどうかは分かっていなかった。
森林総研東北支所の高梨琢磨・チーム長は、振動がシイタケの成長に何らかのきっかけを与えていると考えた。そこで、シイタケの菌を入れたシャーレに1秒間に1千回の振動を2秒与え、10秒ほど止めるという実験を10日間ほど続けた。
その結果、振動を与えた菌は…