首相「全データ再点検を」→厚労省「点検しない」 マイナ保険証問題

村井隼人
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 マイナンバーカードを健康保険証としても使う「マイナ保険証」で、本人の同意なく利用登録された事例が5件見つかった問題で、加藤勝信厚生労働相は6日の閣議後会見で、「カードの申し込み支援の際、本人の意向が十分確認されずに登録されてしまった」と述べた。ただ、同省はさかのぼっての点検などは「システム上できない」と説明。今後、申し出があった場合のみ個別に対応していくという。

 加藤氏は、各市区町村が行うマイナカードの申し込み支援事業で問題が起きたと説明。マイナ保険証の登録について、意向確認が十分されないまま登録された本人から、「希望していないのに(マイナ保険証に)つながっている」との指摘を受け、これまでに5件で登録解除の対応をとったとした。

 厚労省保険データ企画室は、すでに登録された分をさかのぼって点検することは考えていないという。担当者は「自分で登録したものと、自治体職員など他人が介在して登録されたものは、システム上の見分けがつかず、点検できない」としている。

 マイナンバーカードをめぐっては、トラブルが相次いでいることを受け、岸田文雄首相が同日午前、河野太郎デジタル相に「一連の事案に関する全てのデータやシステムの再点検」を指示したばかり。問題の解明は容易ではなさそうだ。(村井隼人)

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